学部を知る

文学部

文学部で学ぶこと

文学部では、人の心や社会、言葉や文化について幅広く学べるのが特徴です。
たとえば日本文学では、古典や現代文学を通して、時代ごとの人々の価値観や生き方を読み解きます。

海外の文学を扱う英米文学・フランス文学などの分野では、作品を原文で読み、言語の背景や文化的な意味を探ります。

また、単に物語を読むだけではなく、「なぜこの作品が生まれたのか」「社会にどのような影響を与えたのか」を考察することも重要です。
言葉を扱う学問なので、表現力や読解力、論理的に考える力が自然と身につきます。

一方で、哲学や心理学、社会学といった分野を含む大学もあります。
哲学では「人はなぜ生きるのか」といった根源的な問いに向き合い、心理学では人の感情や行動を科学的に分析します。
社会の仕組みや人間関係を研究する社会学も文学部の領域のひとつです。

このことから、文学部は「人間」そのものを深く理解しようとする学問と言えるでしょう。
理系のように実験や数値を重視するのではなく、文章や思考を通じて多角的に世界をとらえるのが特徴です。
自分の感じたことを言葉にし、他者と共有する力を磨くのが文学部で学べる大きな魅力です。

他にもこんなことを学ぶ!

文学部というと「本を読むだけ」と思われがちですが、実際はそれだけではありません。
作品分析のほかに、文化人類学やメディア論、言語学など、幅広いテーマを扱います。

文化人類学では、世界中の風習や価値観を比較し、人間社会の多様性を学びます。
メディア論では、テレビやSNS、映画などが人々の意識にどんな影響を与えるのかを考えます。

言語学では、言葉の構造や使われ方を科学的に分析し、言葉がどのように社会と関わっているかを明らかにします。

さらに、レポートや論文を書く機会が多いのも文学部の特徴です。
情報を集めて整理し、自分の考えを論理的にまとめる練習を繰り返すことで、社会に出てからも役立つ文章力が身につきます。
文章を書くのが苦手だった人も、学ぶうちに「伝わる言葉」を使えるようになるでしょう。

また、ゼミ(少人数での研究授業)では、同じテーマに興味をもつ仲間と意見を交わします。
一人で考えるだけでなく、人と話しながら考えを深めることができるのも、文学部ならではの魅力です。

おすすめの就職先

文学部で培った力は、社会のあらゆる場面で生かすことができます。
特に文章力・コミュニケーション力・思考力が評価される職種に強みがあります。

たとえば、出版社や編集プロダクションで書籍や雑誌の編集に携わる道が挙げられます。
新聞社や放送局などのマスコミ業界で、取材・ライティング・企画の仕事をする人も多いです。
広告代理店や広報職では、言葉を使って人の心を動かすスキルが求められます。

また、教育分野を志す人は教員免許を取得し、高等学校の国語教師を目指すケースもあります。
他にも、人事・企画・営業などの一般企業でも、相手の気持ちをくみ取る力や表現力が重宝されます。

最近では、IT企業やベンチャー企業に進む学生も増えています。
デジタルコンテンツの企画やSNS運用など、文章力を武器に新しい分野に挑戦することも可能です。

つまり、文学部の学びは「どの職種にも通じる基礎力」を育てるということ。
言葉や文化を通じて人を理解する力は、どんな時代になっても求められるスキルです。
将来の夢がまだ定まっていない人でも、文学部で得た思考力と表現力は必ず自分の道を支えてくれます。